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イタリアの風:Chigusa Kuraishi Blog

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コロナの状況の中でもアートは続ける

2月3日イタリアのマッタレッラ大統領は3日、ヨーロッパ中央銀行(ECB)の前総裁で、金融のエリートのマリオ・ドラギ氏をイタリアの首相に指名した。コンテ前首相は、各党の連立協議に失敗し、辞任。コロナ後、EU復興のためのリカバリー基金を効果的にイタリアの未来のために使用するためには、金融の専門家が必要となるということか。イタリアの政治が変わろうとしている。

2月2日は節分の日だったが、豆まきをするのを忘れていた。鬼は外!福は内!

イタリアは2月2日コロナウィルス 感染者数、一日9660人死者は499人、退院した患者数18976人トータルでは2570608人が感染し、死者は89344人。

ペルージャは27334人が感染し、死者は283人。+0.97%(イル・ソーレ24オレ)

2月1日から黄色とオレンジに分けて、(赤は完全ロックダウン)オレンジはボルツァーノ、プーリア、サルデニア、シチリア、ウンブリアあとはみんな黄色。

オレンジのペルージャは、主にこんな規則となっている。

22時から5時まで仕事や健康に関する事情以外は外出禁止。仕事や、健康など特別な理由がなければ、州あるいは市の外へ内へ行き来することを禁止。
喫茶店やレストランも閉め、人が入って食事したりできないが、テイクアウトのみ22時までできる。
ショッピングセンターも祝日は休み。
美術館も展覧会も閉館学校はそれぞれの状況に応じて、学長が決める。
公共の乗り物は50%運行。
スロットマシンやゲームセンターなどは休みスポーツセンター、ジム、スイミングプール、劇場、映画館も閉館。

黄色はそんなに変わらないが、州の中では自由に行き来ができたり、18時までは喫茶やレストランで飲食ができるなど。

自由がなく、経済不安や政治不安で、なんだか気分は暗くなりがちな今日この頃だ。

イタリアは2月2日の統計では、212万1768人にワクチンが供給されている。まずは医療機関、そして教育者たち、そして80歳以上の人たちからとなっている。Pfizer mRNABNT162b2AstraZenecaのワクチンは、心臓や糖尿病などのない、18歳から55歳までの健康な人向けに供給されるという。中国ではイタリアとは逆に若い人たちから予防注射を打っていると聞く。まだ私の周りでは予防注射を打った人はいない。なんとなく怖い。
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長く、外出せずにいると気が重たくなるので、友人と外へランニングに行ったり、新しい広いアトリエを借りることになったので、とても楽しみで、その掃除をしたり、努めてからだを動かそうとしている。幸いにも銀行のスペースに絵を置いてもらったり、制作を絶やさないように、作り続けている。最悪の状況の中でも、いいこともある。助けてくれる人、声をかけてくれる人がいることに感謝している。藍染の勉強、俳句の勉強、着物の勉強。そしてここのペルージャの歴史。学ぶことはたくさんある。
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# by Art-Chigusa | 2021-02-03 22:37 | 私のメモから

アディオス・ディエゴ・マラドーナ

私がスポーツ新聞や雑誌のサッカーの取材とかに関わり始めたのは、98年からだから、もうマラドーナはプレーしていなかった。97年に引退している。生の試合で彼のプレーをみたことがない。でも私がイタリアに住み出したのは90年で、イタリアW杯を横目で街の広場の大画面のテレビで見ていた。映像でしか彼のプレーを観ていないのは、残念なことだ。ディエゴがボールを持って走るとボールが魔法のようにからだにぴったりとはりついてからだの一部となる。それは画家の筆が手と一体となりからだの一部になるようなもの。技術的にはベラスケスだろうか。ディエゴのような選手は観たことがない。世界的にコンピューターや携帯で情報を受け取るようになり、コミュニケーションが可能となったが、色々な遊びの選択肢がある現代は、ボールしか遊ぶ道具がなかった時代と違って、マラドーナのように小さい時からボールに親しんでボールと一体になるような選手は2度と生まれることはないかもしれない。
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よく監督たちが、ボールを持ちすぎて、ドルブルでゴールへ突撃する選手に「君はマラドーナではないんだから」というのを何回も聞いたことがある。それは「神さまではないんだから」というようなもの。一人でボールを抱えすぎるなという警告と、自分の力に過信するな、エイゴイストになるな、チームのことを考えろという戒めでもあった。私にはかつて「君はピカソではないんだから」と言ったキュレターがいたけど、腹が立ったものだった。だれもが神に近づきたいと思ってやっているのではないのか?そういうと「君は誇大妄想か」という。神に近づくには色々な要素が必要だ。彼にはそれがすべて揃っていた。映像からでも、ひと目みただけで、超人さ、崇高さがはっきりと伝わってくる。人間的な弱さや、傷つきやすさ、いつも多くの集団の中にいても逆に孤独であった境遇、不完全さゆえ、人は彼を愛さずにはいられないし、子供の心を持った彼は、神への入り口が常に隣り合わせにつきまとってサッカー選手としての引退後は苦しんだに違いない。
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1986年のメキシコW杯準々決勝のイギリス代表との試合で、マラドーナがハンド・手の拳で入れたシュートがゴールとなり、「神の手(La Mano de Dios)」と神話になったこともよく知られている。左手で入れたゴールをヘディングと誤審され、得点した。試合後、ディエゴは「ただ神の手が触れたんだよ」とインタビューで答えた。その後この「神の手」は伝説となった。ピカソのモナリザ伝説や、モディリアーニの偽の彫刻が川から発見された伝説・・・神に近づく人には伝説が生まれるものだ。
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イタリアではマラドーナはペレと比較され、どちらが偉大かという見出しで議論となっていた記事をよく読んだ。どちらも偉大な選手だ。ペレは引退後も、社会貢献し、人間的にも高く評価されている。マラドーナには、薬物依存や不摂生、多様な女性関係の育児放棄など、その人生には光と影がある。画家で言えばカラヴァッジョのようだ。マラドーナはチャリティーマッチや、代表監督としてなど、どちらの選手も社会貢献しているが、ペレはより倫理的で若いサッカー選手の模範となっている。しかし、人々は、そのバランスを欠いた、人生を何倍も謳歌して生きようとした寛大なディエゴを愛している。影が暗ければ暗いほど、光の輝きは大きい。サッカーを超越したディオス:神として、私の中で永遠に生きているしこれからも生き続ける。 
# by Art-Chigusa | 2020-11-30 01:46 | Sports

Ma cosa e'questa roba? なんだこれ?

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1年前に、Galleria A+A (Via della Cera 7 traversa Corso. Garibaldi )と銀行(BCC Umbria Credito Cooperativo) Perugiaでの2箇所での展覧会に出した作品Piccola Vita (小さな命)は、現在12月までプライベートなスペースに保管されていますが、午前3時に知り合いから、電話があり、正確にはWhats upで「なんだこれは?」と送れらてきました。
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壁にタイトルだけが貼ってあったことを知らされ、一瞬、なんだか、私の人生が小さいと、からかわれた気がして、気分を悪くしたのですが、(Vitaは命という意味と人生という意味があるので)、冷静に考えていると、この偶然、誰かが壁にタイトルと私の名前を貼ったことが、面白いちょっとしたアクシデントに思われ、色々思考を巡らしていました。この中世の壁に私のタイトル「小さな命 倉石 千種』だけが貼られると、しかもこのCovidのほとんど自由がない第2ロックダウンに近い状況下では、色々な意味を帯びてきたように、みえました。この”小さな”という”ピッコラ”は、対照的な反対の”大きな””偉大な””グランデ”の意味も同時に考えることになるのです。例えば、良いー悪い Buono ーCattivo 高いー低い AltoーBasso ….
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お昼前には、もうこのタイトルの紙は消えていました。この謎の誰かの”いたずら”が結構気に入ったのでした。でもこの中世の壁にもし貼っていなかったら、すぐに剥がしに行っていたでしょう。この壁も好きなのかも。色々語る壁に見えたのです。
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# by Art-Chigusa | 2020-10-29 22:50 | Art アート

Orfeo il canto e l'incanto オルペウスは歌い魅了させる

10月9日現在イタリアは、コロナウィルス の感染者が増えている状況だ。5月から8月にはイタリアの国内の感染者が1日100人から200人と減っていたにもかかわらず、今また4000人を超えている。10月7日イタリア政府は、屋外でもマスクの着用を義務つけることを決め、規制強化している。非常事態宣言も2021年1月31日までに延長された。
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そんな状況の中、イタリア・日本を中心に総合的な文化芸術活動を展開しているGRIMM TWINS(Ayumi Makita , Barbara Lachi)の展覧会”Orfeo il canto e l’incanto” =オルペウスは歌い、魅了するの意=が、ペルージャ の考古学博物館(Museo Archeologico Nazionale dell' Umbria)で開催されている。展覧会のテーマとなっているギリシャ神話に登場するオルペウス(オルフェウス)は、竪琴の名手で、ペルージャ には竪琴を持ったオルペウスと動物たちがモザイクで描かれた貴重な古代ローマ遺跡が、人文科学・数学・ペルージャ 大学(Facolta` di scenze Matematiche Fisiche e naturali dell'Universita' degli Studi di Perugia)の地下に残っている。(Mosaico di Orfeo con gli animali) この展覧会のオープニングの数日前には、同GRIMM TWINS(Indre Rakauskaiteも加わる)とグループが、このモザイクの上で、影絵や音楽のパフォーマンスを披露した。(ピアノ:Gioia Fruttini ソプラノ:Maria Ilelli  musiche L’ORFEO: Claudio Monteverdi, )
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イタリアはこの春、ロックダウンを強いられ、多くの感染者、死者を出した。「辛いことがあまりに多く起こる今こそ、歴史の中の残された美しさに私たちは学び、語られたストーリーを知り、そこに現代の創造を共存させることで、新たな空間が生まれ、出会いが生まれ、希望につなげることは大事なこと」だと訴える、アーチスト:バルバラ・ラーキ(Barbara Lachi)のオープニングの挨拶に心打たれた。日本の折り紙や切り紙、陶芸の高温での焼き技法を使って、”軽さ”の中にも、造形的な”現代美”が見られ、デザインに興味がある人や、日本に関心がある人も考古学博物館に足を運んで、貴重な文化財の重要さに新たに気付かされる展覧会となっている。
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この展覧会は12月31日まで、ペルージャ の考古学博物館(Museo Archeologico Nazionale dell'Umbria)で行われている。
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 感染者数の推移
# by Art-Chigusa | 2020-10-10 02:18 | Mostra

藍染日記 その3 イタリアで種から育てて藍染をする

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8月の下旬に藍の生葉を、バケツに入れて2日腐らせ、消石灰を少しづつ加えて、沈殿藍をつくるということを実験してみましたが、まず、青色にならなかったし、泡立ちがしなくて、綿のTシャツを染めてみても、色が定着せずに、大失敗でした。バケツに入れて置いたのが、2日のところを4日放置しすぎたからなのか、30度を越すほど暑かったし、腐りすぎたのか、それとも消石灰が古かったのか、イタリアで買った消石灰というのは、Idrossido di calcioの種類が違うものだったのか・・・・藍を発酵させるのは、難しそうです。また藍染の甕つくり、発酵菌、酵素つくりにチャレンジします。逆に温度が低すぎたのかもしれない。9月に入って、ここ数日は涼しくなってきました。もう1回、刈り取って乾燥させてあとで時間をみて染めてみようかと思っています。
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# by Art-Chigusa | 2020-09-08 18:25 | 藍染日記
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ペルージャ在住 アーティスト


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