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イタリアの風:Chigusa Kuraishi Blog

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IL Nilo a Pompei : Museo Egizio

トリノのエジプト博物館に、9月15日行って来た。エジプトのカイロ博物館の次に、世界で2番目にエジプトの美術品の収集品が多いことで知られている。私がここを訪れたのは3回目で、今回は、大規模な企画展をしていた。2016年3月5日から9月4日までの予定が、10月2日まで展示期間が延長されていた。
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“ナイル川とポンペイ”古代ローマ世界の中のエジプトの視点―というエジプトの文化がギリシャ、古代ローマ(ローマ帝国)にいかに影響を及ぼしたか、7つのテーマに分けて探るというもので、ポンペイ文化財事務局、ナポリ国立考古学博物館の協力を得て、大規模なプロジェクトが実現した。
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この日の朝、友人に「エジプト博物館に行きなさいよ。いいわよ~」と、勧められた。でも過去行った時に、コスタンティノープル(東ローマ帝国:現在トルコ)の子供のミイラのところで、激しい動悸と頭痛がしたため、「ちょっと重い、やめとこうかな」という気分であった、でもこの日の朝、イタリアの一般紙コリエレ・デッラ・セーラが、勇気ある女性ジャーナリストで作家のOriana Fallaci の本を新聞と一緒に発売していて、“La paura e’ peccato”:“恐れは罪”というキャッチフレーズが目に飛び込んできた。もちろんジャーナリストの使命や義務というような別のもっと重要な意味を伝えていたのだと思うけど、そんな小さなメッセージにも心が動かされるもので、観に行くことにした。この展覧会も入ってすぐのところに、男のミイラが横たわっていて、やっぱり、動悸がして、手に汗をかいてしまった。「死んだ人が多くの人にこのようにみられるっていうのは、どういうものだろうか?・・彼の魂は成仏できているのだろうか?」などと考えると複雑な気持ちがするのである。右手に持った展示品を説明する音声ガイドは、壊れたように、何度も何度も繰り返し、狂ったように映像もチカチカとし、音声が違う音声とだぶって雑音になっている。エスカレーターを上っていくと、空間に一人になっていることに気づき、ますます心臓はバクバク、パニクッってしまった、展示回路がすこしわかりにくいのにも、苛立った。アー怖かった。
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美しい彫刻や、魅力的な象徴的な図、神格化した動物など見ていくうちに、周りに人も多くなって来て、だんだん落ち着いて、いつの間にか至福の時間を過ごしていた。「なあんだ、大丈夫じゃん」という気持ちになっていた。「ほっ」
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“Il Blu Egizio エジプトのブルー建築家ヴィトゥルヴィオ Vitruvioは、ブルーの絵具を最初に発明して製造したのは、エジプトのアレッサンドリアだったと語っている。ヴェストリオという当時有名だった商人が、製造を始めて、ポッゾォーリ(ナポリ)で産出、生産された。実際に、4王朝、エジプトに顔料があったことが、記されている。(紀元前2543-2436A.C)絵画にアズッロ:青が使われていた。シリカ(ケイ素の酸化物)銅や、銅の塊(クジャク石)石灰、ナトロン. と温めて混ぜてつくった“:という説明があった。
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ポンペイに行くのが夢だったが、イタリアに何年もいて、恥ずかしながら、まだ行ったことがない。東京に住む友人の画家は、毎年ポンペイに東京から行っていた・・・。トリノでその夢の、ポンペイ壁画を観ることになるとは思っていなかった。やっぱりかなり好きだ。絶対にポンペイ(ナポリ)に行ってもっと観ようと心に誓った。
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エジプトの絵は、日本の水墨画にもどこか似ているところがある。ポンペイのテンペラ画も日本画に似ているところがある。凄いと思ったのは、枕だった。エジプト人がつかった枕は、日本髪の女性の使っていた枕と同じだった。でもこの枕って、死んだ人を寝せたのかな、これで寝ていたのかな。
by Art-Chigusa | 2016-09-19 23:43 | Altri
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ペルージャ在住 アーティスト


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