イタリアの風:Chigusa Kuraishi Blog

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IMMAGINI E PAROLE

IMMAGINI E PAROLE
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“イメージと言葉”、伊藤順子さんとの2人展が始まって、
もうあと数日、6月2日で終えようとしています。

今日は順子さんとの不思議な“出会い”について書きたいと思います。
ペルージャの私の家の近所に、最近、私と同年齢くらいの日本人のご夫婦が住むよう
になったと気づきました。
道でお見かけすると、2人とも、とても仲よくいつも一緒に歩いていらっしゃいます。
2人からかもし出される雰囲気は“思慮深い”感じで、“大学教授”って感じです。
俊彦さんは、県にお勤めしておられたそうですが、エスペラント言語学者です。
友達を通じて、仲良くなりましたが、どこか“寂しさ”も漂っていて、
私はそれがどこからくるものなのか、聞きたかったけれど、畏れて聞けなかったのに
天真爛漫な夫が氷を割るように、「君たちにはお子さんはいるの?」と聞いたのです。
順子さんは最愛の息子さんが4年前に突然この世を去ったことを打ち明けて
下さいました。私は順子さんと抱き合って号泣したその時を一生忘れられません。
子供を亡くす以上の悲しみがこの世にあるでしょうか?そして、その後、
私はイタリアのお母さん、マンマのことを考えました。
夫のお母さんクララは去年の今頃、亡くなりました。彼女は晩年娘を交通事故で亡くし、
夫もその前に亡くしていたため、私たちが、一緒に住もうと何回も話したのですが、
一人マルケ州のマロッタの近く、海の家にただひとりで住んでいました、
彼女は外へ出なくなり、次第にたずねる人もほどんどなく、
むりやりペルージャに呼んだときには、ボケてしまって、1週間で心臓がとまって、亡くなってしまいました。お母さんの力になれなくて、私はとても悲しかったのです。
 順子さんはまだお若く、色々なことに興味をもたれて、常に慈善事業など活発に活動されていて、明るく振舞っていらっしゃって、私はその生き方に、大変心打たれ、本当に大きな、大きな敬意を感じています。私だったらできるかしら?息子さんを失って、気が狂うほどの悲しみの中、“つよさ”は“優しさ”というのを彼女の中に感じて、偉い人だと何度も感心しています。
俊彦さんも順子さんも常に息子さんと、喜びの時も悲しみの時も、今も一緒に共に生活していらっしゃるような、息子さんが彼らの中に生き続けていて、見守って下さっているように感じます。

家で夕食を囲んだときに、葉書に“書”を書かれ、プレゼントしていただき、イタリアで日本の“書”に出会って、また感動して、一緒に順子さんの“書”と私の“絵”の共同の展覧会を企画しようということになりました。私の絵に順子さんが書を書いたり、順子さんの書に私が絵をつけたりして、新鮮な刺激を受けながら、作品が生まれました。

順子さんの息子さんは大学で法律を勉強されて、とても優秀な青年でした。国際弁護士になる夢を持って、
アメリカに留学が決まっていました。ブログに書かれていた、息子さんの文章が、俊彦さんと順子さんの努力で、本になっています。
「個独のブログ」伊藤康祐 三五館  
多くの方に読んでいただきたいと、思います。早熟な、賢い、素晴らしい青年だったことがわかります。

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この展覧会は、元教会で、1303年から1923年まで常に救済のために使われていた建物です。私はこの展覧会場に特別な何か、精神的なものを感じていて、ここでいつか展覧会をしたいと思っていましたが、多くの作家が、ここでやりたいため、予約することは難しかったのに、ちょうどキャンセルが出て、急にできることになったり、何か順子さんとの出会いだったり、今回の展覧会の実現だったり、息子さんからも、
天から助けられたような気持ちです。
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順子さんは日本女子大を卒業され、日本福祉大学、大学院を卒業され、福祉の勉強を続けられ、福祉大学で非常勤講師を続けながら、困難を抱えた子供たちへ、支援を続け、家庭文庫 “えほんのもり”を設立し、子供たちに絵や文学、音楽を通じて、地域再生に力を注いで来られた人です。そのプロジェクトの中では、この展覧会中に亡くなった
Giorgio Mustaki氏との出会いもあり、生前に
Mustaki氏は日本の子供たちのために絵を
寄付したり、順子さんを助けていらっしゃいました。Mustaki氏も順子さんも、色々な
慈善事業に参加、救済活動をしていらっしゃいます。
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by Art-Chigusa | 2013-06-01 16:09 | Comments(2)
Commented by milletti_naoko at 2013-08-19 17:23
ちぐささん、こんにちは。悲しみを乗り越え、他の方たちのために、時間やエネルギー、愛を注ぐ順子さん、とてもすてきな方ですね。順子さんの書とちぐささんの絵の共同の催し、きっとすばらしい展覧会だっただろうと思うのに、後から知って、残念です。芸術は本当に何でも、人の心を癒し、思いを奮い起こし、人生に響くものがあると思います。すてきなお仕事、催しをされていますね。ひょんな出会いがこういう密度の濃いものに深まり、広がっていくというのも、すばらしいと思います。
Commented by art-chigusa at 2013-10-09 04:00
心のこもったコメントをありがとうございます。今ペルージャのセンター街でまた小さな展覧会をしています。BANCA DI MANTIGNANA E DI PERUGIAです。お時間がありましたら、お立ち寄りください。銀行の開いている時間なので、少し難しいと思いますが、11日までの16時までです。
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ペルージャ在住 アーティスト


by C.K
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